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 その頃私は東京の用賀に住んでいて、六本木にあるミックブレインセンターと言う会社に勤めていました。その会社で私は通販の事を考える切っ掛けがありました。ある時、ゆうパックの母の日ギフトの企画に参加したんですが、これがまた注文が殺到してました。1000件を超える注文が来てました。その時私は思ったんです。お菓子を発送する人がこんなにいるんだって。それが切っ掛けとなって北海道へ行って美味しいお菓子を作って、全国に発送しようって考えました。

 その頃はまだインターネットでの通販はそれほどでもなくて、でも私は思ってました。お客さんが見るのはパソコンの画面、そこに出てくるお店のページはどんなに大きな店舗でも、どんなに小さな店舗でも、そのお客様が見ているパソコンの画面に出てくるのは同じ大きさ。それに東京にあるお店でも北海道にあるお店でも同じ条件。そう考えて北海道へ行って通販を考えながらお店をやればなんとか食べて行けるんではないかと考えていました。

 私は、3日のお休みをもらい北海道にお店探しに来たのが2000年の九月でした。お店を探すにあたっては以前、新得町にあるクラブメッドサホロで一緒に働いていた友人の上田さん、(彼はなぜかクラブメッドの頃にフランス人のマネージャから「サトチ」と呼ばれてました。まぁ名前がサトシだからなんですが、それで私も上田さんの事をサトチと呼んでます。)に連絡して案内してもらいました。

 クラブメッドの話をすこしすると、働いていたのが、1991年の頃です。私が二十六歳の頃でした、それまで東京で働いていたのですが、ある時北海道へ行こうって思ったんですよ。それでクラブメッドの話は聞いていたので面白そうだなぁーって単純な理由で働きたいって思ったんですよね。そこで、私はクラブメッドサホロの電話番号を調べ。もちろん、電話して、そこで人事の人に電話を繋いでもらいました。その時に電話に出た人は柳生さんって人でした。「私はパティシエです、そちらで働きたいんですが、履歴書を今からFAXで送るので見てください」って言って電話を切りました。そして、履歴書と自己紹介の手紙をFAXでクラブメッドの柳生さん宛に送りました。電話をしたのが午前中で、そのままFAXを送り、夕方にクラブメッド柳生さんから電話があり採用が決まりました。堂々?と行動してみるものです。

 最初に北海道へ行ったのがその時でした。サトチは、クラブメッドではレストランのウエーターをやっていて、私はパティスリーにいました。そのサトチはお店を探そうとしていた2000年の頃は大工をやってましたね。スキーも上手かったしとても器用な人です。ちなみに、私はと言うと、スキーも一杯したのに全然下手くそで、まぁ元々不器用で何をやってもなかなか出来ない、特にスポーツに関しては全く才能が無いんです。サトチは今では、富良野で「ウエダオーチャード」って素敵なメロン農家をやっていますね。ウエダオーチャードはサトチらしくいろんな意味で理想的だと思います。
ウエダオーチャード⇨http://www.uyda.net/

 
 私は、2000年頃の大工をやっていたの頃のサトチにそっちへ移住しようと思うんだけど、探すの付き合ってってお願いしていました。サトチはその頃、美瑛に住んでいて その家で私たちは一泊しました。
翌日の朝にテレビの中継で高橋尚子さんがシドニーオリンピックのマラソンで優勝するシーンを見たんですよね、いつもはスポーツとか全然見ないんですが、すごく感動しました。

 その日、サトチに旭川に連れて行ってもらい数カ所の物件を見たのですが、どうもピンと来なくてこれは違うなって思い。 その夜はやはりサホロのクラブメットの時の友人と一緒に帯広の「真藤」ってバーへ。そのバーも同じくクラブメットの時の友人の藤谷さん、彼女はクラブメッドの頃からかみんな「カンコ」って呼んでました、名前が寛子でたぶんあれは「ヒロコ」って読みんだろうと思うんですが、私も今でも「カンコ」って呼んでます。そこで色々と考えて、やはり最初から富良野がいいんでは無いかと思ったのはもう朝頃でした。 カンコ今は結婚して、銀座で「バー・フォーシーズンズ」って日本を代表するような凄いバーをやってますね。
バー・フォーシーズンズ⇨http://www.bar-fourseasons.jp/

 翌日、車で富良野へ行き、ぐるっと…するとあっと言う間に街から抜けてしまって、どの辺りが繁華街なんだろうって、今にして思えばあの時はすでに繁華街を通り過ぎてたんですが、通り過ぎてたことすら気が付かなかったです。不動産屋さんすら見つけることが出来ず、偶然もその後借りる事になる店舗の直ぐ近くに電話ボックスがあって、そこで職業別の電話帳を見たんですが、やっぱりよく分からず。そうだ、駅に行けば何か情報があるんじゃ無いかって思いJRの富良野駅へ行ったんです。そして見つけたのが交番でした。交番へ入ると親切な警察官の人がいて、どこか不動産屋さんってありますか?って聞くとすぐに教えてくれました。すぐ先にある国道を少し行くと「北菱」って不動産屋さんがありますよって教えてくれました。今になってみるとその警察官の方の事は全然覚えていないんですが、すごく感謝しています。名前を聞いておけば良かったと思ってます。

 それで私たちはそのまま車でその不動産屋さんに向かいました。国道まで出て左折するとほんとすぐの所にあって、そこも実は何度も車で通ったのに気が付かなかったんだなぁって思いました。車を駐車場に止めて、何やら北菱さん看板の形が菱形なのが気になりましたが、私はそのまま一人で北菱さんって不動産屋さんに。入り口に入ると女性の事務員の人が出てきてくれたので、私はどこか店舗に出来る所を探しているんですがありますかと尋ねると、「うちは店舗はやってないですよ」って返事が返って来たのですが、すぐに、ちょっと待って下さい、社長に聞いてみますね、と言われ。今度はその不動産屋さんの社長さんが出てきてくれて、私が事情を説明すると、私の知り合いの所が空いてるよって言ってくれて、そのままその店舗の所へ同行してもらいました。

 その空き店舗は表が全てシャッターになっていてそのシャッターを開けると、大きな窓ガラスが現れて一発で気に入りました。そのまま中に入ると、幾つかの間仕切りで部屋が簡易的に区切られていて、ちょっと前まで選挙の事務所として使っていたと言ってました。中をぐるっとすると、広い、広さ的には六〇坪近くあってちょっと広すぎると言うか、いったい家賃は幾らになるんだろうってのが問題でした。東京にいる時の感覚だと六〇坪はすごい高いだろうけど、ここは富良野なのでそこまではしないだろうって思ったのですが、でも20万くらいはするんではないだろうかとも思い。

 私は独立する時にザクッとこんなふうに考えていました。材料費が30%、包材費が10%、人件費が20%、返済が10%と家賃や水道光熱費と維持費で10%の2つを合わせて20%、その他の経費が10%、自分たちの収入が10%。そして、返済は5年以内で終わらす。

 返済を五年以内で終わらす理由は、お店は毎年10%づつ新しさが失われる、もちろんそうなってより良さが出ると言う事もあるにはある。すると、五年経つと魅力は半減している、ここで何を考えるかって事が出てくる。この段階では、返済は終わっていれば次の段階に行ける。そうするとお店にいくらお金を掛けていいかがわかる。

 自分の店舗のイメージを考える、1日の売り上げが、製造が私1人なので一生懸命作っても1日5万円位売り上げれればいい方かもしれないと考えました。すると、1ヶ月25日だとして、5万円×25日で125万円の月商、年商では1500万円位の可能性はある。年間の売り上げが1500万円だとすると、かけていい金額は750万にしかならない。私は、東京に住んでいた時に貯めた700万円がすでにあった、ちょうどこの私の雑な計算にぴったりの金額である。

 それにこうも考えていた、お店を出して3年経って全然ダメだったら700万円をパァ〜と使ったと思ってまた東京へ戻りどこかで勤めようって。手持ちの自己資金が700万ある、お店を出すには少ないのか多いのかわからないけど、私の雑な理論ではそれでやれって事です。それにいきなり銀行へ行ってお金を貸してほしいって言っても保証人もいない私なんかには貸してもらえるとも思ってなかったですしね。

 今ある資金だけで銀行からの借り入れはしない、そう考えました。それで、家賃です、いくらまでならいいのかって事ですよね。条件は最初は製造は私1人、販売は妻1人そこからですが、できれば数人は人を雇用したい。だから数人が動ける広さ、でも妻と2人のままかもしれない。

 私は、皮算用はしないので、現実を考えて…最初に考えた雑な構成費の中の返済や家賃で10%なので、月に125万円程度の売り上げだと、12万位じゃないとって考えていました。この物件だと、広さは十分だけど、いくらなんだろうって思ってました。でも直感的にもここしか無いって考えてもいました。直感は大切です。

 倉前さんと言う方が、建物の大家さんで、2階部分に住まわれていますた。私たちは、2階の自宅に上がらせてもらい、借りたいって言う話をして、北菱の社長さんが家賃を聞いてくれたんです。すると、驚いたことに…家賃は10万円でいいと…しかも、敷金も10万円、礼金は無し。びっくりです。すごく嬉しかったです。しかもオープンは来年の5月を予定している事を伝えると…家賃はお店が出来てからでいいよって、言ってくれて、ほんと感謝です。

 そのまますぐに契約をして、翌日に東京へ戻りました。3日間の長いような短いような店舗探しの北海道旅行でした。

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